おせちの由来②


前回は祝い肴三種について触れました。

 

その他のお節料理や使われる食材のあれこれについては、紀文さんのHPに詳しい解説のページがありますので、そちらを参照してみてくださいね

 

 

今回は、お正月に欠かせないもうひとつの料理、「お雑煮」に焦点を当てたいと思います。

 

お雑煮は歳神様の御利益を頂戴するためにいただく祝い膳。(お節料理は歳神様にお迎えするためのお供え、祝い膳。)

お雑煮の歴史も古く、室町時代の文献には既に記述が見られるそうです。

 

代表的なのは、江戸風雑煮に代表されるような「角餅にすまし仕立てのお雑煮」と、京風雑煮に代表されるような「丸餅に味噌仕立てのお雑煮」でしょうか。

 

とは言っても図にあるように、お餅を焼くか焼かないか、味噌仕立ての場合は赤味噌か白味噌かなど、地方によって、バリエーションがあるようです。

 

使う食材の意味については、お節料理に準ずる場合が多いと思いますが、多くはその土地で手に入り易い食材が使われることが多いようです。

 

 

 

 

お餅に角餅を使うか、丸餅を使うかにも謂れがあるようです。

 

東京以北は角餅文化圏になっていますが、江戸は人が多かったので作るのに手間のかからない角餅が重宝されたからのようです。

 一方、関西で丸餅を使用するのは、「円満、角を立てずに丸く収める」意味から、丸餅を使うようです。

 

また一部では、餅を使わずに里芋やすいとんを使用したお雑煮を食べる地域もあるそうです。

 

丸餅を使う地域は、使用する野菜なども、人間関係に角を立てずに丸く収められますようにとの願いを込めて、切る際に面取りして調理するのが正式なようですね。

 

 

 ところで、お餅の話が出たのでついでに鏡餅と門松のお話もしておきましょうね。

 

門松は、歳神様をお迎えするための表札の意味があります。

なので、門松を飾っていない家には歳神様は立ち寄ってはくれません。

 

昨今はスペースの関係で本物の門松を飾る家は希少になりました。一般的には紙に印刷された門松を門柱などに貼る場合が多いと思いますが、一夜飾りを避けて、きちんと飾りたいものですね。

 

次に鏡餅ですが、これも玄関先に飾る家が多いかもしれませんね。

でもこれだけだと歳神様は、家の中に入ってきてくれません。(玄関先でお暇されてしまいます。)

 

鏡餅は本来は床の間に飾るものですが、床の間の無いお家も多いですね。

出来れば、家の奥にある部屋、居間やダイニングルームなどお節料理を頂くお部屋に飾りましょう。