2018始動〜②〜


日本を含む世界では

 

今回は世相や時事問題を中心に観て行きます。

奇しくも先日起きた皆既月蝕や、この夏大陸で起きる日蝕では「外交が活発化」しそうな暗示があります。

 

皆既蝕がある年、ある月は天変地異が起きやすい傾向がありますが、それにも増して、年ごとにキナ臭さが増す世界情勢の中で、外交努力でなんとか戦争を回避しよう…そんな各国の意図が透けて見えてきそうですね。

 

近代史的には、富の配分の偏りが過大になったとき戦争が起き、戦争による破壊により資産家も資産を失うが為、結果として富の配分が是正された…世界が平等な富の配分に預かれたのは、先の二度の世界大戦の時だけ[1*]なんだそうです。

 

グローバル企業1社の収益が、平均的な国家ひとつ分の国家予算額を超え[*2]、世界人口の1%に過ぎない最富裕層が世界の富の82%を手にする現代[*3]、経済学的な知見からの戦争の条件は、既に整っているわけです。

 

またそう言う視点で見ると、今の日本で企業が内部留保を溜め込んで、雇用している労働者に賃金という形でなかなか還元しようとしないのは、問題が多いという事になります。

経済格差と賃金と企業の業績

 

人手不足でパート・アルバイトの賃金は上がりつつあるようですが、正規雇用の人たちはまだまだのようですし、非正規の人たちも上がっているとは言え、一般的な主婦の昼間のパート勤務で時給1000円以上/1hのところは、東京などの大都市圏ならあるかもしれませんが、今のところはまだ平均的な金額では無いようですね。

 

先月の「朝まで生テレビ」に出演されていたデーヴィッド・アトキンソン[4*]さんの発言で、(細かい金額は覚えて無いのですが、)日本の「適正最低賃金」は、計算上は1200円弱/1hだというのがありましたから、その数字を基準に考えると日本企業は、まだまだ適正賃金を払っているとは言い難いという事になります。

 

ところで、企業により事情は違うかもしれませんが、話を聞く限り、どん底の企業が復活逆転劇を演じる時は、大抵パターンが決まっているようです。

 

◉これまでの慣習を見直し、社内の改革をする

→社員のやる気を引き出す

→社員にアイデアを出させ、自主的に取り組ませる

→結果が出て一時的賃金が上がる

→社内に活気が戻り、社員のモチベーションが上がる

→不振を脱出し、賃金もベースアップされる。

 

つまり逆の言い方をすれば、企業が不振に陥っている時というのは、経営者は会社を存続させることばかり考えているから、社員のことを考えているようでいて、実は考えていないわけです。

ですから、心ある若手社員が何か提案しても、前例を盾に経営幹部は一蹴しがちで、業績が落ちつつあるのに改革や冒険を嫌います。

つまり、若手が持つ可能性を信用していないし、何より「社員の気持ち」を大事にしていないのですね。(←結果として社員のやる気を削ぐような事しかしない。)

 

国家同士の争いも似たようなところがあって、旧オスマン帝国の領地だった場所は、オスマン帝国崩壊後に、欧米列強が、部族の生活区域を無視して機械的に国境を引いたことが、中東で戦争が絶えない要因の一つになっていると言う話を聞きます。

 

宗教だけの問題では無いのですね。

相手方の事情や背景、思いを無視したところに、問題の種は宿ると言ったところでしょうか。

 

戦争は富の破壊と奪い合い

 

また土地は様々な資源の在りか=生活の糧・資産を生む場所ですから、国境紛争というのは間接的な富の奪い合いでもある訳です。

 

戦争による破壊行為で、持てる者に富を捨てさせる形で格差是正が起きる…そんな野蛮でアナログなやり方で富の配分を適正に戻すのでは無く、成功した者・持てる者が自発的に、いかに成功できない大部分の、かつ、ごく普通の人たち…持たざる者たちに利益を還元していくのか?

持てる者がいかに自発的に、富の配分を適正値に是正すべく社会還元していくのか?

 

人類はその知恵を出せるのか否かを、試されているように思えます。

 

タックスヘイブンなどの問題を考えると、かつて欧州の王侯貴族に求められていたノーブリス・オブリージュのような、成功した者・持てる者には持てない者を護り、利益を還元する義務があるという道徳心が、昨今の富裕層には希薄になってきているのでは無いかと云う印象を受けます。

 

そもそもキリスト教圏では、キリスト教が一神教だからと言うこともあるでしょうが「汝、マンモンの神(金銭の神)と兼ねつこうことあたわず※」と教えられていたのだそうです。

 

キリスト教圏で無くとも日本の仏教の世界では、功徳を積んだり自らの修行のために「喜捨」と言って、金品や財産を寄付する・財産を差し出すと言うことが一般的に行われてきました。日本人の私達に最も馴染み深い喜捨は托鉢かも知れませんね。この喜捨は、元々はヒンドゥー教の理念から来ているそうです。

 

一方、イスラム教にもザカード(救貧税)と言う喜捨があり、ーこれはユダヤ教・キリスト教も同じだそうですがーこの三宗教の喜捨は、東洋の仏教やヒンドゥー教のような功徳を積むためのものでは無く、主に救貧の目的で自らの贖罪のために行われるものだそうです。(ハリウッドのスター達が、ボランティアや社会活動に熱心になるのも、分かるような気がしますね。)

 

と、そんなわけで一般的には清貧が尊ばれ、「お金儲けは汚い」と言うイメージを持たれている人が多いのだと思います。

 

ですから大体において、資産運用のノウハウや事業関係のセミナーなどに行くと「お金儲け的なことは汚いものという意識を捨てよ」的なことを言われることが多いのでは無いでしょうか。

 

けれども人類が宗教的な側面から「お金儲けは汚い」と洗脳するかのような教えを広めて来た背景には、一度お金儲けに走ると人は贅沢をする為に利益を得ることばかりに夢中になり、他者に対する思いやりや社会奉仕の気持ちを無くす人が多く、社会情勢が不安定になることが多かったせいなのでは無いでしょうか?

 

後述しますが、経済学者のピケティは、経済格差(貧富の差)が拡大しすぎると、社会不安を招くと警鐘を鳴らしています。

 

だから宗教は喜捨という形で富めるものには富を放出させ(社会に還元させ)、自己の利益に執着する事を戒め続けてきたのだろうし、その結果として、「お金=汚い」と言う意識が埋め込まれるようになったとは考えられ無いでしょうか?

 

一般的にアジアに比べると欧米の方が格差が大きいと言われているのと、ユダヤ・キリスト・イスラムの三宗教の喜捨は贖罪のために貧しい人たちを救う為に喜捨(寄付)すると言う、仏教などより直接的な形で救済が行われると言う事情は、意識の上で関係があるように思えます。

 

即ち、キリスト教などの原罪主義(人は全て、生まれた時から罪を負っている)的な考え方をすれば、金儲けに走り富を独占して溜め込むことは、更に罪を重ね人として恥ずかしい罪深いことだから、貧しい者たちを救済する為に自らの富を放出する事で、贖罪に繋がる…とする方が、(日本史で言えば、農民一揆の様な)社会不安を抑えるには都合が良かったのではないかとも思えるからです。

 

今年は経済分野での改革が始まる

 

土星が昨年末に本来宮である山羊座に移動し、木星は蠍座、ここに今年は天王星が牡牛座に移動すると言うことは、企業の内部留保は減る可能性が有りますし、放出できない企業は淘汰の憂き目に合うはず。

 

一方、仮想通貨は国家の介入が始まり、少しずつその姿を変えていくかも知れません。ただし、仮想通貨が一般的なものになるには、まだまだ時間がかかるでしょう。恐らくはあと半世紀~早くても四半世紀くらいの時間が必要なはず。

 

この様に経済分野での変化や改革を始めるには2018年は良い年回りなので、安全保障上の観点からも、貧富の格差の是正に繋がる様なことが行われるのが望ましいわけです。

 

ところで、解決のヒントが木気にあると先述しましたが、先述の通り、経済学者のピケティは21世紀の今、こうした貧富の格差の拡大を是正できなければ、世界は不安定になると警鐘を鳴らしています。

 

ピケティは世界の国が協力してグローバル課税することを提唱していますが、安全保障や防衛問題に敏感になっている今の時代だからこそ、ぜひこの記事を読んでくださっている皆さんにも、「富の配分の過大な偏りは、戦争やテロなどの社会不安を生む」と言う、ピケティが指摘している観点からも問題を考え、社会(国際)問題の解決策を考えてみてほしいと思います。

 

新しいものが生まれ、社会が変革の過渡期を迎えて混乱している時代だからこそ、ごく普通の人間ひとりひとりが社会の抱えている問題(視点を変えれば、自分自身の問題でもある。)と向き合い、そこで得た思いなり考えを、出来れば選挙の時などに反映させていただきたいと思いますし、選挙以外にも自分の思いを社会の中で形にする術を持っている方々は、是非、行動に移していただければと思います。

 

冥王星が山羊座に入っておよそ10年。
今、冥王星は山羊座の最も根幹的なことを問い、本質的な問題を人類の目の前に提示しています。
すなわち、国家とは何か?国は、政府は、国家元首はどうあるべきか。
あるいは、大企業とは何者なのか?その存在はどうあるべきなのか?
一昨年辺りから、大企業の不正が明るみに出続けているのは、山羊座を運行中の冥王星の影響と言えます。

 

5月に天王星が牡牛座に移動すれば、そうした問いが、財政・経済分野を通して行われるようになります。

今年はその最初の年なのです。

 

そしてこれまでにおきた、モリ・カケ・スパ問題やコインチェックのNEM流出問題は、これから問われるであろう国と経済関連の問題点の伏線となり得ると云う点で、(世間には、国会でこの問題のやり取りばかりされることを批判する向きもあるのですが、)実は、軽視してはいけない問題であることを星の巡りは暗示しているのです。

 

 

 

※主と金銭の二神を信仰し仕えてはならない…と言う意味。

 

【出典&参考資料】

[*1] ; トマ・ピケティ「21世紀の資本」

経済格差についてピケティはなんと言っているか 

https://wirelesswire.jp/2017/06/60153/

[*2] ; フォーチュングローバル500

2017年度版 http://fortune.com/global500/

世界の国家予算ランキング

2016年度版 https://www.google.co.jp/amp/s/4knn.tv/government-budgets-by-country/amp/

NHKスペシャル マネーワールド

https://www6.nhk.or.jp/special/sp/detail/index.html?aid=20161022

上記番組内容を書き起こしているブログ

http://fanblogs.jp/sumanonikki/archive/704/0

[*3] ;オックスファム報告書発表

http://oxfam.jp/news/cat/press/2018.html

[*4]デーヴィッド・アトキンソン

wikipedia

 

 

 

個人鑑定希望の方はコチラをご参照下さい。