前回の画像を見ても分かる通り、照葉樹林の森はとても豊かな森ですね。
里山再生で照葉樹林を復活させたら、熊や猪も人里には降りてこなくなるんじゃないかしら。
山肌も出来たら照葉樹林に戻したいですね。そうしたら、土砂災害を少し減らせるかも。
スギやヒノキの代わりに、人の手が入っても比較的強いとされる照葉樹ブナ科のシイやカシをメインに、その他の照葉樹も植えて。
なんたって、ブナの原生林は300mm/1hの雨を吸収すると言われているのですから。(出典:http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/gizyutu/kouza/pdf/koukaikouza-fujieda.pdf)
この保水力は広葉樹の葉が落葉し、微生物に分解され、スポンジのようにふかふかの腐葉土を産み出すことから生まれます。この腐葉土が雨水を吸収し、地滑りを防ぐ役割をするそうです。
杉などの針葉樹には、これが有りません。その為、人工林の針葉樹林は大量の雨が降ると地滑りを起こし易くなるのだとか。
今夏の九州北部豪雨で、表層崩壊型の地滑りを起こした福岡県の朝倉市は、森林の87%が、スギやヒノキを主体とした人工林だったそうです。
照葉樹林の森は別名「緑のダム」と言われるくらいで、調水用ダムと同程度の調水能力があると考えられているそうです。
あと調べてみたら、照葉樹林の構成樹木には、本当に役に立つ木が多いんです。
例えばタブノキの樹液から作られるタブ粉は線香や蚊取線香の材料になるし、樹皮は染料に、木材は建材になる。
民家などの生垣には、生木や生葉が燃えにくい、カシの木やサザンカ、ツツジなど(全て照葉樹)を植えることが多いですね。最近は街路樹にツツジを植えているところも多いですね。花壇を兼ねることもできるからでしょうか?
さらにカシの木は堅いので、耐久性を要求される建築材や道具を作る材料としても有用なんですね。
広葉樹は成長が遅く、高密度な為、重くて扱いづらい木が多いようなんですが、多くの育成林(人工林)の杉・檜が伐採樹齢に達しているにもかかわらず、安い輸入材に頼っている今、新しい建築材用の針葉樹の植林は、昔ほどには必要無いのでは。
加工技術も進んでいるわけだから、杉のように軽くて扱い易く、早く成長する木で無くても良いはず。
今は古民家を解体して出た廃材を使って、家のリフォームをする人も多いですよね。
里山再生で、産業構造も少し変わってくれたら、自然災害を緩和して老いも若きも暮らしやすい社会に変わらないものかなあと思うのですが・・・。
▶︎「照葉樹林の再生を①」
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